新型コロナ起源、武漢研究所流出説をドイツ情報局が支持

新型コロナウイルスの起源:武漢ウイルス研究所からの流出説、ドイツ情報局が示唆

新型コロナウイルス(COVID-19)の起源を巡る議論は、未だに続いており、世界中で注目されています。最近、ドイツの連邦情報局(BND)が2020年に行った分析結果が明らかになり、ウイルスが中国・武漢のウイルス研究所から誤って流出した可能性が高いという見解を示していたことが報じられました。さらに、この分析結果は米中央情報局(CIA)とも共有されていたとされています。

ドイツ情報局の分析

ドイツの主要な新聞『ディー・ツァイト』と『南ドイツ新聞』が報じたところによると、BNDは、武漢ウイルス研究所が「機能獲得実験」を行っていた可能性が高いと分析しました。この実験は、ウイルスをヒトに感染しやすい形に改変するもので、その結果、ウイルスが研究所から誤って流出し、パンデミックを引き起こした可能性があるとされています。この分析結果は、米CIAにも提供されたとのことです。

BNDの見解はドイツ政府にも報告されていたとされていますが、当時のメルケル首相はこの情報を「極秘扱い」とし、公にすることはなかったようです。

米国の調査とCIAの評価

一方、米国では、これまでにもCOVID-19ウイルスの起源について調査が行われており、2024年12月には、下院の特別小委員会がウイルスが中国の研究所から流出した可能性が高いとの調査結果を発表しました。さらに、2025年1月には、CIAが新型コロナウイルスの起源が「自然発生」よりも「研究関連」である可能性が高いとの評価を公表しました。ただし、その確信度は低いとも付け加え、自然界から人間に広がった可能性も排除していないとしています。

中国政府の反論

これらの報告を受けて、中国政府は強く反論しています。中国外務省の報道官は、武漢ウイルス研究所がウイルスの作成や流出に関与していないことを改めて強調し、「流出説」の真実性は非常に低いと主張しました。中国側は、自国の研究所がCOVID-19の発生に関与していないと断言しています。

科学者たちの見解

科学者たちは引き続きウイルスの起源に関する研究を行っています。2024年9月には、著名な科学誌『Cell』において、武漢市の華南海鮮市場でSARS-CoV-2を媒介する可能性がある動物が発見され、その動物がウイルスのヒトへの伝播を引き起こした可能性を示唆する研究結果が発表されました。この研究は、ウイルスが自然界からヒトに伝播した可能性があることを示しています。

新型コロナ起源「中国・武漢ウイルス研究所の可能性高い」 独連邦情報局が米CIAに共有

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