北海道沖 千島海溝、マグニチュード9の巨大地震発生の恐れ

北海道沖 千島海溝のひずみ蓄積、巨大地震発生の恐れ

北海道沖の千島海溝で、海底の地殻変動観測の結果、海側と陸側のプレートが強くくっつき、ひずみをため続けていることが明らかになった。このひずみの蓄積は、マグニチュード9クラスの巨大地震を引き起こす可能性があり、大津波の発生リスクも高まっているとされています。

研究の背景と結果

東北大学や北海道大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の研究グループは、2019年から5年間にわたって海底にGPS観測点を設置し、地殻の動きを調査しました。その結果、海側のプレートでは年間約8センチ、陸側のプレートでもほぼ同じ程度に年間8センチの移動が確認されました。この観測結果から、海溝軸付近で海側と陸側のプレートが強くくっつき、ひずみが蓄積していることがわかりました。

過去の巨大地震との関連

千島海溝では、17世紀に発生した巨大地震が記録されています。それ以来、プレート間で毎年8センチ程度のひずみが蓄積されていると仮定すると、すでにプレートがずれ動いた量と同じくらいのひずみがたまっている可能性が高いと言われています。このため、再び巨大地震が発生するリスクが現実のものとなりつつあります。

今後の調査と防災対策

研究グループは、さらなるデータを得るため、今後は北海道の十勝沖にも観測点を設置し、調査を続ける予定です。東北大学の富田史章助教は、「2011年の東日本大震災からもうすぐ14年が経つが、その記憶が薄れつつある中で、同様の巨大地震が起こる可能性があることを改めて意識して、事前の対策を考えてほしい」と話しています。


  • 観測結果: 海底のGPS観測によって、海側と陸側のプレートが強く固着し、年間約8センチのひずみが蓄積されていることが確認された。
  • 過去の地震との関連: 17世紀の巨大地震以降、同じ程度のひずみが蓄積されており、再度の巨大地震の発生リスクが高まっている。
  • 今後の調査と対策: 十勝沖での調査が予定されており、過去の教訓を生かした事前の対策が重要である。

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