「参院選2025|米政策を徹底比較:各党の公約と価格対策を詳しく解説」

参院選2025:注目すべき「コメ政策」 各党のアプローチを徹底解説

今年7月20日の参院選では、食料問題と家計の直撃を受けた“コメ高騰”が有権者の関心事となっており、多くの政党が米政策を選挙戦略の一角に据えています。政府備蓄米を巡る対応、農家支援、価格安定など、立場によって政策の軸足は異なりますが、全体を俯瞰することで各党の本気度が見えてきます。

各党のコメ政策まとめ(表)

政党公約①公約②
自民党事前契約による安定供給・流通の確保水田政策を見直し、農家の長期経営安定を目指す
立憲民主党食農支払制度による農地・農家保護主食用米の再生産を支える仕組み作り
公明党備蓄米を活用した価格抑制と流通円滑化を図る設計農地の大規模化や集約で生産性向上を推進し、備蓄米で需給バランス調整
維新の会ミニマムアクセス枠外関税を一部調整、輸入制度の見直し(時限的)生産拡大と収益性を両立させる「稼げる農業」を導入
共産党備蓄米の購入量を最低200万トンに増やす生産費–販売価格の差を補填する安全網構築
国民民主党食料安全保障基盤支払制度を創設主食用米の増産で需給・価格の安定を実現
れいわ新選組備蓄米含む食料備蓄を大幅に拡充
参政党増産支援と輸出促進をセットで提案

公明党:「備蓄米×価格抑制」で現場の生活支援

公明党が先鞭をつけたのは、備蓄米を活用した価格抑制策です。政府は備蓄米のうち約21万トンを市場に放出する一方、流通の停滞がボトルネックとなり、小売店まで届いたのはわずか数パーセントだったと報じられました 。

そこで公明党は素早く受け皿構築に動き、契約形態を「随意契約」に変えることで、スーパーや地域米店への販売を優先枠で後押し。これによって、店頭価格が5kg約2,000~3,000円台まで下がる一助となったのです。

また公明党は、備蓄米を「貸し出し・売却後に買い戻す」スキームを導入し、備蓄量を維持しながら価格抑制が可能になる仕組みも整備しました。加えて、フードバンク向け無償提供も行い、生活困窮世帯への支援も強化しています。

与党内のバランス:安定と効率の両立へ

自民党も、事前契約で農家・業者・消費者をつなぎ、供給と流通の安定を図る方針です。さらに水田政策を見直し、環境農業との共存やスマート農業支援にも意欲を示しています。

維新の会は市場開放の視点も持ちつつ、農家の収益力向上と併せ、「稼げる農業」へ構造改革を提案。グローバル競争と地域資源活用の両立が焦点になります。

一方、野党で特徴的なのは立憲民主党や共産党の直接支援路線です。立憲は農地や生産者に直接支払うことで価格変動への耐性を高め、主食用米の安定供給を目指します。共産党はそれをさらに伸ばし、最低200万トンの備蓄を掲げ、生産費–販売価格差への補填制度も用意。支援の厚みは際立ちますが、恒久的財源に課題があります。

国民民主党は、食料安全保障支払を新設し、主食米の増産で需給と価格の両輪安定を目指します。中道的立場ながら、必要な財源や実効性も重視したアプローチです。

れいわ・参政党は備蓄体制と増産・輸出支援を訴え、食料安全保障を重視する立場から、緊急対応的な政策を展開しています。

専門家が指摘する課題と戦略

✅ 流通実態の改善が急務

政府は迅速な価格調整のため、スーパー向けに月6万トン、小売店向けに2万トンといった優先枠輸出を設定しました 。ただし、買戻し期限が1年から5年に延長されたため、業者の動きに慎重姿勢が広がっており、今後の着実なモニタリングが求められます。

✅ 農家の収益維持とEC競争

備蓄米放出で消費者には一時的な恩恵がありますが、農家の市場価格や所得が下がれば、長期的な生産意欲低下に直結します。したがって価格抑制と補填のバランス、そしてスマート農業や規模集約化などの効率向上が不可欠です。

✅ 財源の裏付けと制度設計

直接支払や備蓄買い増しには財源が必要です。経済同友会も各党政策を財源・実現性・構造改革の視点から評価しており、選挙後の制度設計での議論が待たれます。

✅ 輸入農産物との関係

維新の輸入制度見直し、公明や自民のTPP配慮など、内外バランスが求められる局面です。

✅ 気候変動対策との融合

気象変動や豪雨災害への備えも農業政策では無視できません。特に多くの政党がスマート農業の推進や耐候性品種の開発を政策に盛り込んでおり、公明党などは環境保全型農法との連携を打ち出しています 。

投票前の注目ポイント

  • 農家も消費者も納得できる「価格安定と所得保証の両立」をどう取れるか
  • 備蓄米スキームの透明性、流通円滑化の具体策
  • 財源の裏づけと制度の持続性
  • 輸入自由化と国内農業保護の均衡
  • 気候変動対応やスマート農業への取り組みの本気度

米政策そのものが生活政策の核心に

コメ政策は単なる農政の問題に留まらず、家計、地方経済、国際競争、環境など、日本社会の「かじ取り」を左右する重要なテーマです。政策の正当性はもちろん、実行可能性や持続性、説得力が有権者の信頼に直結します。ぜひ選挙公報や公開討論で、各党の詳細設計や責任の所在まで確認し、自分の生活に響く一票を投じましょう。

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