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自転車の交通違反に反則金「青切符」導入へ:スマホ・イヤホン使用も対象、来年4月施行
警察庁は、自転車の交通違反に対して反則金を科す「青切符」制度を、2026年4月1日から導入する方針を決定しました。これにより、スマートフォンを使用しながらの運転やイヤホン装着など、危険な「ながら運転」が反則金の対象となります。これまで自転車の違反行為は警告や刑事処分(赤切符)に限られていましたが、青切符の導入により、より柔軟かつ実効的な取り締まりが可能となります。
背景:自転車事故の増加と危険運転の蔓延
警察庁の統計によれば、2023年の交通事故による死者数は2,678人(前年比+68人、+2.6%)、重傷者数は27,636人(前年比+1,609人、+6.2%)と、いずれも増加傾向にあります。特に、自転車乗用中の死者数は増加しており、ヘルメット非着用時の致死率は着用時の約1.9倍に達しています。
また、自転車と歩行者の事故においては、自転車運転者が第1当事者となる死亡・重傷事故のうち、歩行者が65歳以上である割合が過半数を占めています。
青切符制度の概要と対象違反行為
新たに導入される青切符制度では、16歳以上の自転車運転者による113の違反行為が対象となります。警察官の警告に従わなかったり、危険を生じさせた場合に反則金が科されます。主な違反行為と反則金は以下の通りです。
違反行為 | 反則金額 |
---|---|
スマホを使用しながらの運転 | 12,000円 |
信号無視、逆走、歩道走行 | 6,000円 |
指定場所での一時停止無視 | 5,000円 |
車に追い抜かれる際に左側に寄らない | 5,000円 |
2台並走、2人乗り | 3,000円 |
傘差し運転、イヤホン装着運転 | 5,000円 |
ブレーキが利かない自転車の運転 | 5,000円 |
なお、車両が自転車の右側を追い抜く際に十分な間隔をあけなかったり、安全な速度で走行しなかった場合、普通車の運転者には7,000円の反則金が科されます。
免許制度の見直しと今後の展望
今回の改正では、普通免許や準中型免許の受験資格が18歳から17歳6カ月に引き下げられ、仮免許は17歳6カ月で取得可能となります。警察庁は、これらの改正内容について、2025年4月25日から5月24日まで政府ホームページで意見募集を行い、2026年4月1日に施行する方針です。
青切符制度の導入により、自転車運転者の交通ルール遵守が促進され、事故の減少が期待されます。今後は、制度の周知徹底とともに、教育や啓発活動の強化が求められます。
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