外国資本が狙う日本の土地 防衛省周辺も取得される危険と政府の対応遅れ

重要な土地を外国資本に奪われるリスク

政府の動きの遅さが招く“静かなる有事”

政府が初めて外国資本による土地取得状況を公表

日本政府は2024年12月、「土地等利用状況審議会」を開き、防衛施設や原発、国境離島など安全保障に関わる重要地域での土地取得の調査結果を初めて発表した。対象は2023年から2024年初頭にかけて指定された339カ所。総取引件数は1万6,862件にのぼり、そのうち外国人・外国法人による取得は371件だった。その過半数を占めたのは中国で、全体の54.7%にあたる203件。韓国は13.2%で続くが、大差をつけられている。

注目すべきは、これらの取得が偶然の分布ではないことだ。調査によると、中国資本による203件のうち65件は新宿区の防衛省周辺に集中していた。さらに、陸自補給統制本部や練馬駐屯地の近辺でも複数の購入例が見つかっており、意図的な拠点形成を疑わざるを得ない状況となっている。

スパイ活動への懸念と世界の警戒感

土地取得自体がすぐに安全保障上の脅威になるとは限らない。だが、防衛省や自衛隊施設の周辺に狙いを定めたような動きは、情報活動や電波傍受、妨害電波の発信といった工作に転用される危険性を孕んでいる。

同様の懸念は海外でも現実化している。イギリスでは中国大使館の移転計画をめぐり、ロンドン中心部の土地購入が盗聴や監視活動の拠点となる可能性があるとして地元議会が反対した。東京でも、渋谷区にある中国大使館別館が台湾の代表機関の通信を傍受しているのではないかと警戒されている。

日本でも太陽光パネル設置を名目に土地を購入し、実際には防衛施設周辺の拠点確保に利用されていた疑いが浮上している。静岡県御殿場市のケースでは、中国共産党系の人物が関与する企業が土地を取得していたことを公安当局が把握しているという。

再エネ制度を逆手に取る構図

さらに問題を複雑にしているのが、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)だ。土地を取得し太陽光パネルを設置すれば、電力会社が電気を高値で買い取る仕組みになっており、中国企業がこの制度を利用しているとされる。ある政府関係者は「2023年度だけで中国関連企業に20億円前後が流れている」と語る。国民が支払う電気代に上乗せされる賦課金が、結果的に外国資本の資金源になっているのだ。

沖縄・離島でも進む“静かな侵食”

本土だけでなく、沖縄や離島でも不審な土地取得は進んでいる。港の近くのホテルを在日中国人が購入し、艦船の動きを監視していた疑いが指摘された事例もある。さらに、自衛隊基地からわずか数キロの水源地が中国系不動産会社に買収され、公安当局が監視対象にした例も確認されている。

風力発電を名目に土地を買いながら、発電事業が行われないケースもあり、近隣に自衛隊レーダー施設があることから偽装取得の疑念が強まっている。

国際協定と憲法の壁、そして政府の怠慢

外国資本による土地規制が進まない背景には、憲法29条が保障する財産権や国際協定がある。日本はWTOのGATS協定に参加する際、外国人土地取得の制限について留保をしなかったため、自由化義務が課せられている。だが、RCEPなどには例外条項もあり、完全に手を縛られているわけではない。

一方で、実効性のある立法は依然として進んでいない。岸田前首相は2024年3月に規制強化を検討すると述べたものの、法改正には至っていない。与野党の一部からは外国人土地取得規制法案やスパイ防止法制定の動きもあるが、政府全体としては腰が重い。

国民の声と危機感

ネット上では、この調査結果に不安や怒りの声が相次いでいる。

「防衛省の周辺を買われてる時点で完全に有事だろ」
「日本だけスパイ防止法がないなんて異常すぎる」
「国民の電気代が中国に流れているのは許せない」
「安全保障よりも投資自由化を優先している政府はおかしい」
「外国人に土地を売るなら利用は借地権に限定すべきだ」

こうした声は、国民が政府に先んじて危機感を抱いている証左である。

立法の遅れは国益を損なう

外国資本による土地取得は、投資や観光促進の側面もある。しかし、防衛施設や水源、離島など戦略上の要地に関しては、規制と透明性の確保が不可欠である。今のままでは「静かなる有事」が着実に進んでしまう。

スパイ防止法を持たないのは先進国で日本だけだ。外国資本による土地取引規制の遅れも含め、政府が一歩踏み込んだ法整備を怠れば、国民の生命と財産を守るどころか、将来の安全を自ら差し出すことになりかねない。

日本は今、投資自由化と国家防衛の狭間で揺れている。その均衡を取るのは政治の役割であり、遅れは許されない。

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