中国、宮古海峡で封鎖演習実施 – カナダ艦通過を批判する矛盾した態度

中国、宮古海峡で海上封鎖演習を実施 – 台湾有事を視野に

中国は2024年12月、沖縄本島と宮古島の間にある宮古海峡で海上封鎖を模した演習を行いました。この演習には、中国海軍のジャンカイ2級フリゲート艦2隻とジャンカイ1級フリゲート艦1隻、さらに海警船3隻の計6隻が参加し、太平洋側から東シナ海に向けて航行しました。これは、台湾有事を想定し、海上封鎖の範囲を拡大させる可能性を示唆しています。

重武装海警船団、尖閣諸島周辺で初確認 – 日本への圧力強化か

また、同時期に中国は沖縄県・尖閣諸島周辺に重武装化した海警船団を派遣しました。76ミリ砲を搭載した海警船4隻が日本の接続水域を航行し、これらの海警船は全て重武装されていることが確認されました。このような強化された武装の海警船が尖閣諸島周辺で確認されたのは初めてで、圧力の強化が見て取れます。

中国海軍と海警船、宮古海峡での共同航行 – 海上封鎖の示唆

さらに、中国海軍の軍艦と海警船が宮古海峡で初めて共同航行を行いました。この行動は、海上封鎖を実施する準備の一環として政府関係者によって分析されています。海警船は通常、軍艦の作戦に組み込まれ、行動を秘匿することが多く、今回もAIS(船舶自動識別装置)の機能を切断するなどして、秘密裡に活動していたと見られています。

カナダ艦、台湾海峡通過で中国が強硬批判 – 自国の行動と矛盾する反応

一方、カナダ海軍のフリゲート艦「オタワ」が台湾海峡を通過した際、中国軍は「台湾海峡の平和と安定を損なう」と批判しました。カナダ艦の航行は台湾外交部が明らかにしており、これに対して中国は警戒を強めました。しかし、中国自身は宮古海峡で封鎖演習を行い、尖閣諸島周辺に重武装した海警船を派遣するなどの挑発行動を繰り返しています。

中国、他国の行動には批判 – 自国の挑発的行動は正当化

中国は他国が自国の周辺海域で活動することには強く反発し、台湾海峡を通過したカナダ艦やアメリカ艦に対して批判を展開しています。しかし、同国自身が宮古海峡で海上封鎖の演習を行い、尖閣諸島周辺に重武装化した海警船団を派遣していることは矛盾しています。このようなダブルスタンダードとも言える態度は、国際社会からの反発を招いています。

国際社会の懸念 – 台湾海峡と周辺地域の平和と安定の確保が重要に

このような中国の行動に対して、国際社会の懸念は高まる一方です。特に、台湾海峡を巡る緊張が一層激化している現在、周辺地域の平和と安定を保つための国際的な努力が求められています。台湾海峡を含む地域における航行の自由と、いかなる圧力にも屈しない平和的な解決策を確立することが、今後の鍵となるでしょう。

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