中国籍元外交官、コロナ給付金詐欺で逮捕 政財界との関係も浮上

2025年2月5日、警視庁公安部は中国籍の元外交官、徐耀華容疑者(62歳)を詐欺容疑で逮捕しました。彼は新型コロナウイルス対策の給付金を不正に受け取ったとされています。捜査の過程で、彼の経営する高級中華料理店が日本の政財界や中国大使館関係者との深い関係を持っていたことが明らかになりました。

高級中華料理店の背景

逮捕された徐容疑者が経営する「御膳房 六本木店」は、フカヒレやアワビ、伊勢エビなどの高級食材を使用した料理を提供する店です。店のホームページには、「中国雲南料理を始めに日本に紹介した草分け、歴代首相を始めとする日本政財界、中国大使館などによくご利用されています」との記載があります。この記述から、店が日本の政財界や中国大使館関係者との密接な関係を持っていたことが伺えます。

過去の捜査と関連性

公安部は過去にも、コロナ給付金を巡る詐欺容疑で都内の中国人関係先を捜索していました。令和5年5月には、中国出身者と日本企業の交流促進を謳う一般社団法人のビルを捜索し、6年2月には同法人の元幹部とされる中国人2人を詐欺容疑で書類送検しました。このビルは、スペインのNGO「セーフガード・ディフェンダーズ」が、中国が世界各地に設置した「海外警察拠点」の一つに挙げていた場所であり、国外の中国人の政治活動の監視などを任務としているとされています。

日本のスパイ活動に対する懸念

日本には諜報活動を直接防止する法律がなく、特定秘密保護法も十分に機能していないとの指摘があります。これにより、日本が「スパイ天国」となっているとの懸念が高まっています。そのため、防止法や防諜機関の整備を求める声が強まっています。

中国の反スパイ法の改正とその影響

中国では、2023年4月26日に「反スパイ法」が改正され、スパイ行為の範囲が拡大され、法執行権限も強化されました。新法では、スパイ行為の定義が広がり、国家安全を害する行為として、スパイ組織への参加や国家機密の窃取、不法提供などが含まれるようになりました。また、スパイ行為に対する罰則も強化され、個人や組織に対する罰金や営業許可の取り消しなどが規定されています。

日本企業への影響と対応

中国の反スパイ法の改正により、日本企業もその影響を受ける可能性があります。特に、企業が中国での事業活動を行う際には、現地の法令や規制を遵守することが求められます。また、スパイ行為に該当する可能性のある行為を避けるため、従業員への教育や内部監査の強化が重要となります。

今回の逮捕事件は、日本と中国の関係における新たな懸念材料となっています。日本の政財界と中国の外交官との関係が深いことが明らかになり、スパイ活動や情報漏洩のリスクが高まっています。

逮捕の中国籍元外交官、日本の政財界との関係示唆 公安部は資金の流れ解明進める

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