米CIA 新型コロナ起源 中国流出説支持に転換

新型コロナウイルス(COVID-19)の起源に関する議論は、世界中で長らく続いています。2025年1月25日、米中央情報局(CIA)は、新型コロナウイルスが中国の研究所から流出した可能性が高いとの新たな評価を示しました。これまで「結論に至っていない」としていた従来の立場からの転換となります。

CIAの新たな評価

CIAは米メディアへの声明で、「入手可能な情報によれば、研究所起源説が、自然発生説よりも可能性が高い」と指摘しました。ただし、「信頼性は低い」とし、確定的な結論には至っていないことも強調しています。具体的な理由については示されていません。

他の米情報機関の見解

これまで、新型コロナウイルスの起源について、米連邦捜査局(FBI)やエネルギー省は研究所からの流出が最も可能性が高いと評価していました。一方、国家情報会議や他の四つの情報機関は、自然発生の可能性が高いとしています。今回のCIAの新たな評価は、これらの機関の見解と一致するものとなります。

政治的背景と影響

CIAの新たな評価は、バイデン前政権下での指導者の意向や、トランプ政権時代の情報機関内での議論が影響していると考えられます。特に、トランプ政権の国家情報長官を務めたジョン・ラトクリフ氏は、研究所流出説を強く支持しており、2025年1月23日に就任した新CIA長官としてその立場を反映させた可能性があります。

中国の反応と国際的な影響

中国政府は、これまで新型コロナウイルスの起源に関する研究所流出説を否定しており、今回のCIAの評価に対しても強い反発を示すと予想されます。この問題は、米中関係や国際的な協力に影響を与える可能性があり、今後の外交的な対応が注目されます。

CIA becomes latest intel agency to conclude COVID-19 likely originated from Chinese lab leak

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