「福島処理水」を批判しながら三陸沖で漁を続ける中国漁船、その矛盾と国際社会の反応
- 2025/5/7
- 報道・ニュース

福島処理水放出に対する中国の批判と三陸沖での矛盾
2023年8月、東京電力福島第一原子力発電所からのALPS処理水の海洋放出が始まった。これに対し、中国は「核汚染水だ」と強く批判し、日本産水産物の全面輸入禁止を実施。しかし、その一方で、中国漁船は三陸沖の好漁場で操業を続けている。日本の水産物は輸入禁止にしても、自分たちで獲る魚は問題ないらしい。
中国の批判と自国での実態
中国は処理水放出を「海洋の核汚染」として非難し、国民への食品安全を理由に輸入を禁止。しかし、実際のところ中国の原子力発電所もトリチウムを含む水を海に放出し続けている。その放出量は日本を上回るとも指摘される。
科学的に見れば、処理水に含まれるトリチウムは、国際基準をはるかに下回る濃度で海洋放出されている。IAEA(国際原子力機関)も「安全基準を満たし、環境や人体への影響は無視できるほど」との報告書を発表。これに対し、中国は科学的根拠を示さず感情的な反発を続けている。
三陸沖に集まる中国漁船
福島第一原発からの処理水放出が始まった後も、三陸沖には中国漁船が多数集まっている。日本からの水産物は禁じても、自国で獲った魚は安全とでも言うように、数十隻の中国漁船が操業を続けている。
地元の漁業者からは「日本の魚は危険だと批判しながら、自分たちは獲り続けるのはどういうことか」との疑問の声が上がる。また、中国漁船は国際法上の公海で漁を行っているため、取り締まりは難しい。
日本政府とIAEAの反応
日本政府は科学的根拠に基づき、処理水が安全であることをIAEAと共に証明している。2023年7月にはIAEAが報告書を発表し、処理水の安全性を確認。日本は国際社会に透明性を示し、風評被害の抑制を図っている。
一方、中国はこのIAEAの報告にも批判的で、「IAEAは日本寄りだ」と主張。しかし、IAEAは国連の国際機関であり、その信頼性は高い。
福島処理水の海洋放出をめぐる中国の批判と、その一方で三陸沖で操業を続ける中国漁船の矛盾は、国際社会の注目を集めている。科学的根拠を無視し、感情的な反発を続ける中国に対し、日本は引き続き透明性と国際基準に基づく対応を続ける必要がある。
参考サイト
<a href="https://gendai.media/articles/-/149931" target="_blank" rel="noopener" title="">「処理水」の海洋放出を批判しながら、好漁場の三陸沖に出向いて漁を続ける中国漁船</a>