
パキスタン首相、核兵器監視機関の緊急会議を招集
パキスタンのシェバズ・シャリフ首相は、国家の核兵器を監視し運用する最高機関である国家指揮当局(National Command Authority)の緊急会議を招集した。これは、インドとの軍事的緊張が急速に高まったことを受けた対応である。
国家指揮当局は、パキスタンの核兵器の運用・保管に関する決定を行う最高機関であり、文民および軍関係者で構成されている。今回の会議招集は、パキスタン政府が核兵器の使用を含む重大な決定を検討する可能性を示唆している。
軍事的緊張の背景
インドとパキスタンの軍事的衝突は、インドがカシミール地方で発生した攻撃を「パキスタン支援のテロ」と非難し、パキスタン領内の複数地点を空爆したことに端を発している。パキスタンはこれに対し、攻撃への関与を強く否定し、インドの行動を「挑発的」と非難。
さらに、パキスタン軍は、インドが弾道ミサイルを発射し、パキスタン国内のヌル・カーン基地、ムリッド基地、ショルコット基地を標的にしたと発表した。これにより両国間の緊張は一層高まり、核兵器の使用リスクが現実味を帯びている。
国際社会の反応
アメリカや欧州連合(EU)は、両国に対し最大限の自制を求め、対話による解決を促している。アメリカのマルコ・ルビオ国務長官は、パキスタンのアシム・ムニール陸軍参謀長と電話会談を行い、冷静な対応を求めた。また、G7各国も両国に対し緊張の緩和を呼びかけている。
核兵器を巡る懸念
パキスタンとインドはともに核保有国であり、両国の対立は国際的な安全保障に重大な影響を及ぼす可能性がある。特に核兵器の使用リスクが現実味を帯びる中、国際社会は対話と外交を通じた解決を強く支援している。