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【在日中国大使館が注意喚起】日本旅行「慎重に」 無差別事件や食品衛生トラブルに言及
中国の在日大使館は17日夜、日本に住む中国人や、訪日を予定している中国国民に対し、安全対策の徹底を呼びかける注意喚起をホームページ上で発表した。日本国内で無差別殺人や食中毒を含む食品衛生に関する事件が相次いでいることを理由として挙げた。
「治安事件が増加」と指摘 背景には無差別殺人事件
注意喚起の文書では、「日本メディアの報道によれば、最近の日本社会では悪質な治安事件が増加している」としたうえで、昨年末以降、福岡県北九州市や長野市などで相次いだ無差別殺傷事件を例に挙げ、「多くの無辜の市民が犠牲になった」と述べている。ただし、具体的な事件名や加害者の動機などには触れていない。
さらに、窃盗や強盗、ストーカー行為、通信詐欺といった犯罪にも言及し、「中国人が巻き込まれるケースもしばしば見られる」と懸念を示した。夜間の一人歩きや、治安が不安定な地域への訪問を控えるよう呼びかけている。
「食の安全」にも言及 各地で食中毒報告
大使館はまた、「日本各地で食品衛生上の重大なトラブルが発生している」とも指摘。栃木県栃木市や岩手県盛岡市、埼玉県さいたま市などで、集団食中毒と思われる事案が相次いでいるとし、「飲食店選びは慎重に。衛生状態の良い場所を選ぶことが重要だ」とした。
国内の医療機関によると、今冬から春先にかけてノロウイルスなどによる感染性胃腸炎の報告件数は、過去10年間で最も多く、各地の保健所が注意を呼びかけている。
来日シーズンを前に警戒強める
今回の注意喚起は、5月1日から始まる中国の大型連休「労働節(メーデー)」を控え、観光目的で日本を訪れる中国人が増加すると見られる中でのタイミングとなった。
これにより、SNSなどでは「日本旅行は見合わせるべき」といった声も一部で上がっており、旅行代理店の中には、旅行先を別の国に変更する相談が増えているという。
大使館の呼びかけ内容
注意喚起の中では、安全確保のために以下の点に留意するよう強調している。
- 夜間の一人歩きは避ける
- 人気の少ない地域や治安の不安定な場所に行かない
- 外食時は清潔な店舗を選ぶ
- 身の回りの安全や荷物に注意を払う
- トラブルが発生した場合は証拠を保全し、すぐに通報する
さらに、大使館は「中国領事」アプリやWeChatを通じた「海外在留公民登録」の利用を勧め、緊急時に速やかに連絡が取れる体制づくりを促している。緊急時の対応として、日本の警察(110番)や救急(119番)の番号も併記された。
観光業への影響も懸念
日本の観光業界にとっては、こうした注意喚起が訪日旅行の需要に影響する可能性もある。コロナ禍以降、回復基調にあったインバウンド需要だが、治安不安や感染症リスクがクローズアップされることで、再び冷え込みかねないとの声もある。
政府関係者は「日本は引き続き安全な観光地であり、正確な情報の発信が重要だ」と強調しているが、観光立国を掲げる中で、治安維持や衛生管理への取り組みが改めて問われている。
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