
台湾国防部(国防省)は4月1日、中国海軍の空母「山東」が3月31日に台湾が設定する警戒区域に入ったと発表した。台湾軍は直ちに監視を強化し、動向を注視している。
中国軍による台湾周辺での活動はここ数年、頻繁に確認されている。昨年12月9日には、中国軍が福建省と浙江省の東側に7つの飛行制限エリアを設け、台湾側は軍事演習の可能性を警戒した。また、同時期には海軍艦艇や沿岸警備隊の船舶が台湾周辺に派遣され、台湾軍は緊急対応センターを設置し警戒を強めた。
さらに、12月10日には中国軍の軍用機47機と軍艦12隻、公船9隻が台湾海峡周辺で活動しているのが確認され、台湾国防部は「高度な警戒を維持している」と発表した。今年に入ってからも中国軍の動きは活発で、1月22日には軍用機27機が台湾海峡の中間線を越え、台湾軍が厳重な監視態勢を敷いた。
最近では、3月17日に中国軍機26機が台湾周辺を飛行し、そのうち20機が台湾海峡の中間線を越えて台湾の防空識別圏に進入。台湾軍は即座に対応し、中国側の動きを警戒した。
今回の「山東」の行動も、こうした一連の動きの延長線上にあると見られている。台湾国防部は「引き続き警戒を強化し、地域の安定維持に努める」と強調しており、中国側の意図を慎重に分析している。