トランプ大統領 ベネズエラからの石油購入停止へ

2025年1月20日、ドナルド・トランプ米大統領は、ベネズエラからの石油購入を停止する可能性が高いと述べました。大統領執務室での記者団との会話で、「20年前は偉大な国だったが、今はめちゃくちゃだ。彼らの石油を買う必要はない。われわれの石油が十分にある」と語りました。また、トランプ大統領の特使であるリチャード・グレネル氏は、ベネズエラの複数の高官と話し、21日の早い時間から会談を始める予定だと述べています。

トランプ大統領は、米大統領選挙戦中、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領を「独裁者」と呼び、第一次政権ではベネズエラとその石油産業に厳しい制裁を科しました。バイデン前政権は一部制裁を緩和しましたが、マドゥロ氏が民主的選挙の約束を反故にしたとして制裁を復活させました。

ベネズエラの対米石油輸出は昨年、64%増の日量22万2000バレルとなり、米国は中国に次ぐ2位の輸出先となりました。しかし、ベネズエラの石油産業は2019年以降、米国の制裁下にあり、シェブロンは合弁相手からの未払い配当を回収するため、2022年以降、ベネズエラ産石油の対米輸出を認められています。

トランプ大統領の発言は、米国のエネルギー政策や国際関係に大きな影響を与える可能性があります。ベネズエラの石油産業は長年にわたり米国の制裁を受けており、これらの制裁が解除されることは、ベネズエラ経済の回復や国際社会との関係改善にとって重要なステップとなるでしょう。

一方で、米国のエネルギー供給において、ベネズエラ産石油の割合は比較的小さいため、石油購入停止が米国のエネルギー市場に与える影響は限定的であると考えられます。しかし、国際的なエネルギー市場や価格に与える影響は無視できません。

今後、米国とベネズエラの関係がどのように進展するか、また、トランプ大統領の政策がどのように実行されるかが注目されます。国際社会は、ベネズエラの政治的安定と経済的回復に向けた努力を支援し、建設的な対話と協力を促進することが求められています。

関連記事

おすすめ記事

  1. 参院選で示された「減税」への圧倒的な民意 7月20日に投開票が行われた参院選では、ガソリンの…
  2. 中国空母「遼寧」が東シナ海で艦載機を発着艦 自衛隊は即応対応 中国海軍の空母「遼寧」が202…
  3. 「無償化」は本当に“タダ”なのか――社会保障と税負担のリアル 「社会保障の充実」は誰もが口に…
  4. 中国公船、再び尖閣の領海に侵入 138日連続の接近 緊張高まる現場海域 2025年4月5日午…
  5. 行き過ぎた多様性の問題点 多様性(ダイバーシティ)の推進は、現代社会において重要な課題として…

新着記事

  1. [ays_poll id=8] …
  2. 参院選で示された「減税」への圧倒的な民意 7月20日に投開票が行われた参院選では、ガソリンの…
  3. 日本のODAは10年で36兆円超に増加
    日本のODA支出は10年で36兆円規模へ 日本政府が海外に対して行ってきた政府開発援助(OD…
  4. 中国大使館が呼びかける「中国人襲撃への警戒」 在日中国大使館が8月18日に発表した注意喚起が…
  5. 重要な土地を外国資本に奪われるリスク 政府の動きの遅さが招く“静かなる有事” 政府が初…
  6. 米ペンシルベニア州USスチール工場で爆発 死者2人・負傷10人 日本製鉄傘下で発生 米国東部…
  7. 日本移住で大学まで学費無料?中国で密かに広がる“教育支援”悪用の動き 厚生労働省の統計によれ…
  8. 日米関係に新たな火種か 米国が日本製品に15%の追加関税を発動 「合意」との齟齬に懸念広がる …
  9. 石破政権に「ネット言論統制」疑惑 削除要請の根拠示さず批判拡大 参院選を終えたばかりの自民党…
  10. CIA資金提供疑惑と河野洋平氏の非公開要請 戦後最大級の「政治とカネ」問題が再燃 冷戦期、米…
ページ上部へ戻る