お正月なので、日本でベーシックインカムが導入できないか考えてみた

日本でベーシックインカムが導入できないかを以下を条件に考えてみました。もし、消費税を50%にしたら・・という内容です。

前提条件

ベーシックインカムを導入するためには、次のような前提条件が必要です。

  1. 税制改革: 現在の税制を大きく変更し、消費税やその他の税収(法人税、所得税など)を一元化または大幅に見直し、消費税が主な財源となるようにする必要があります。
  2. 社会保障制度の見直し: 既存の社会保障制度(年金、医療、失業保険、生活保護など)を廃止し、それをベーシックインカムに一本化する必要があります。
  3. 消費税の引き上げ: 50%という消費税率を導入することが前提です。

消費税率10%から50%への引き上げによる税収増加

日本の消費税率は2024年時点で10%ですが、仮に消費税率を50%に引き上げる場合、税収がどれほど増加するかを再計算します。

現在の消費税収は約20兆円(2023年度)です。消費税率が10%から50%に引き上げられると仮定した場合、税収がどれくらい増加するかを計算します。単純に税収が消費税率に比例して増加するものと仮定します。

現在の消費税収(10%)を基に、消費税率が50%に引き上げられると、

したがって、消費税率を50%に引き上げることで、税収は約100兆円に増加することになります。

ベーシックインカムの支給額

この税収をすべてベーシックインカムに充てると仮定します。日本の人口が約1億2,500万人(2024年時点)であるため、1億2,500万人で100兆円を分けると、以下のように計算できます。

消費税を50%に引き上げることで得られる税収を全額ベーシックインカムに充てると、一人あたり年間80万円が支給されることになります。

廃止される制度のリスト

ベーシックインカムの導入にあたっては、現在の社会保障制度の多くが廃止されるか、もしくは大幅に変更されることになります。以下は、ベーシックインカム導入に伴って廃止される可能性のある主な制度や物です。

生活保護制度

  • 現在の生活保護制度は、生活が困難な市民に対して最低限の生活費を支給する制度ですが、ベーシックインカム導入後は、すべての市民に無条件で一定額の支給が行われるため、生活保護制度は廃止されることになります。
  • ベーシックインカムの支給が全員に平等に行われるため、生活保護のような低所得者に限定された支援制度は不要になります。

年金制度

  • 日本の年金制度は高齢者に対する重要な支援手段ですが、ベーシックインカム導入後は、すべての市民に対して一定額が支給されるため、年金制度は廃止されることになります。
  • 年金に代わるものとして、ベーシックインカムが支給されることで、高齢者も含めた全市民に平等な支援が提供されます。

失業保険

  • 失業中の生活を支えるための失業保険は、ベーシックインカムによって代替されます。失業者に対して無条件に一定額が支給されるため、従来の失業保険制度は不要となります。
  • 失業保険の給付基準や条件を設定する手間がなくなり、全員に平等に支給されるベーシックインカムがその代替となります。

医療費の負担(健康保険)

  • 現在、日本では国民皆保険制度が整備されており、健康保険に加入することで医療費の一部がカバーされています。ベーシックインカムを導入する場合、医療費の負担をどうするかが課題となります。
  • ベーシックインカム自体は生活費の支給が主目的であり、医療保険制度の廃止を意味するわけではありませんが、医療費の一部負担をどうするかについては議論が必要です。仮に医療制度を再編成する場合、医療費の負担は税金に移行し、国民に均等に分担される可能性があります。

育児手当や子ども手当

  • 現在、子どもを育てる家庭に対して支給されている育児手当や子ども手当も、ベーシックインカム導入後は廃止される可能性があります。
  • ベーシックインカムがすべての市民に無条件で支給されるため、特定の世帯に対する補助金制度は必要なくなります。これにより、行政手続きや支給管理の簡素化が期待されます。

各種福祉サービス(障害者支援、介護保険)

  • 障害者や高齢者向けの福祉サービスや介護保険も、ベーシックインカムの導入後には大きな見直しが必要となります。ベーシックインカム自体は生活支援を目的としているため、特別な支援が必要な人々へのサービスがそのまま残る可能性がありますが、全体的には支援制度が簡素化されることになります。
  • ただし、障害者や高齢者の特別な支援は依然として必要であり、完全に廃止されることはないかもしれません。そのため、介護保険制度や障害者支援制度が新たな形で再編成されることが予想されます。

法人税や所得税の再構築

  • ベーシックインカム導入のためには、消費税の引き上げに加えて、法人税や所得税の仕組みも大きく変更される必要があります。これらの税金がどのように再構築されるかは政策によりますが、所得税や法人税が大幅に減税される可能性もあります。

注意点と課題

社会保障の再分配機能の低下

現行の社会保障制度は、貧困層や特別な支援が必要な層に対して重点的に支援を行っていますが、ベーシックインカムは無条件にすべての市民に支給されるため、貧困層や高齢者、障害者に対する特別な配慮が薄れる可能性があります。

税制の負担増

消費税を50%に引き上げることによって、消費者への負担が非常に大きくなります。これにより、低所得者層が生活に困窮する可能性が高く、別途の緩和措置が必要です。

社会的な反発

現行の制度からの移行に伴い、特に福利厚生を享受している層や税負担が増える人々の反発が予想されます。このため、政策の導入には十分な時間と調整が必要です。

消費税率を50%に引き上げ、その税収を元にベーシックインカムを導入するというアイデアは、そもそも空想です(笑)

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