
5候補が外国人政策で対立点を鮮明化
自民党総裁選に立候補した林芳正、高市早苗、茂木敏充、小林鷹之、小泉進次郎の5人は、テレビ番組で外国人政策をめぐり論戦を交わした。共通して「不法行為防止」「土地や不動産の規制強化」「在留管理の厳格化」が重要だと一致したが、実施方法や優先順位では違いが見えた。
名前 | 主張内容 |
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林芳正 | 運転免許や保険窓口の議論に触れ、総量をコントロールする必要を強調。違法や不公平でなくても反発が出るため、じわじわと薄く広く対応していく重要性を主張。 |
高市早苗 | 経済的利益や福祉目的での難民流入を防ぐべきと発言。土地取得問題を含め、政府全体で対応する必要を訴えた。 |
茂木敏充 | ルールを守れない外国人には厳格対応が必要とし、司令塔機能の強化を提案。土地取得問題や外国資本規制を資本金引き上げなどで包括的に対応すると主張。 |
小林鷹之 | ルールを守らない外国人への厳格対応を強調。ビザ申請の厳格化、安全保障上重要な土地規制の拡充、不動産取得規制の導入を検討すべきと述べた。 |
小泉進次郎 | 違法行為や保険・児童手当の不適正利用を是正。土地や不動産取引の透明化を進めると主張。総理が司令塔として年内にアクションプランを策定する考えを示した。 |
林芳正:漸進的に総量コントロール
林氏は「運転免許や保険の問題が既に議論されてきた」としつつ、外国人受け入れについては社会の反発を避けながら「薄く広く対応する」方針を示した。急激な規制強化よりも、段階的な施策の積み上げが必要だと強調した。
高市早苗・茂木敏充:難民・土地取得への警戒
高市氏は「経済目的や福祉目的の難民流入は認めない」と主張し、政府横断の対応を訴えた。土地取得問題を含め、国家的な監視体制を強めるべきだとした。
茂木氏は「ルールを守れない外国人には厳格対応」と明言。さらに「司令塔機能を強化し、外国資本の資本金引き上げなど総合的対策が必要」と制度の具体的強化を打ち出した。
小林鷹之・小泉進次郎:ビザ厳格化と総理主導の計画
小林氏は「ビザ申請の厳格化」「重要土地規制の拡充」「不動産取得規制の検討」を提案。経済安保経験を踏まえた強硬路線を示した。
小泉氏は「違法行為や保険・児童手当の不正利用を防ぐ」とし、土地取引の透明化を進める考えを表明。「総理が司令塔となり、年内にアクションプランを策定する」と期限付きで実行力をアピールした。
5候補はいずれも外国人政策において規制強化を求めているが、林氏は「漸進」、高市氏は「難民排除」、茂木氏は「司令塔と制度具体化」、小林氏は「ビザ・土地規制強化」、小泉氏は「首相直轄のアクションプラン」と、それぞれ異なる戦略を打ち出した。総裁選の結果は、日本の移民・外国人政策の方向性に大きな影響を与える。