訪日外国人ビザ発給数が過去最高に、7割が中国人—観光トラブルや事故も多発

訪日外国人ビザ発給数、中国人が7割以上を占める

2024年、日本を訪れる外国人向けに発給されたビザの総数が約719万件に達し、前年に比べ約1.7倍に増加したことが明らかになった。特に中国人向けのビザが全体の73%を占め、524万件を超える規模となった。

外務省はこの増加について、コロナ禍による渡航制限の解除と観光需要の回復が大きく影響していると分析している。また、観光目的に限らず、就業や留学など多様な目的でのビザ発給も増加していることが確認された。

観光トラブルの急増—中国人観光客の問題行動

観光客の急増に伴い、各地でトラブルも目立つようになった。特に中国人観光客によるマナー違反や事故が問題視されている。

北海道の小樽市では、線路内に立ち入った中国人観光客が列車にはねられ死亡する事故が発生。さらに、京都では観光地での迷惑行為やゴミのポイ捨てが問題となり、地元自治体は警告を強化している。

また、東京の靖国神社では、中国人観光客による不敬行為が発覚し、SNSに投稿された動画が大きな波紋を呼んだ。警察は関係者に事情を聞き、器物損壊容疑で捜査を開始した。

交通事故も多発—福岡で外国人ドライバーの問題

福岡市では外国人による交通事故が増加しており、その多くが中国人観光客によるものとされている。JAFや警察は空港で交通ルールの周知を強化し、日本の交通ルールに従うよう呼びかけている。

観光バスの運転手が中国人観光客のグループから暴言を受けるケースも報告され、観光業関係者は対応に苦慮している。

反日感情と日本人被害—中国国内での事件も

中国国内では、反日感情が再燃する中、日本人が被害に遭う事件も発生。深圳市で日本人学校に通う児童が襲われる事件や、蘇州市で日本人母子が襲撃される事件が報告されている。

日本政府は安全確保のため、在中国日本大使館を通じて現地在住日本人に注意喚起を行っている。

持続可能な観光政策が必要

訪日外国人観光客の増加は経済的に歓迎される一方で、マナー問題やトラブルの増加も課題となっている。観光庁は観光客向けのマナー啓発キャンペーンを強化し、観光地ごとの対応策も検討している。

オーバーツーリズムを防ぐため、地域ごとの受け入れ体制の整備や、観光客の分散化も進める必要があるだろう。

関連記事

おすすめ記事

  1. 中国海警局の船、尖閣周辺で再び領海侵入 日本漁船に接近 2025年5月7日、沖縄県石垣市の尖…
  2. 消費税は、日本の主要な税収源の一つとして位置づけられています。 しかし、その運用方法には多く…
  3. 沖縄県・尖閣諸島周辺の日本領海において、中国海警局所属の船舶による連続的な領海侵入が続いています。…
  4. 令和7年度の国民負担率、46.2%に達する見通し 令和7年3月5日、財務省は令和7年度の国民…
  5. 「簡単に取れる」日本のビザ、中国人からの相談殺到 狙われる制度の隙 「報酬さえ払えば、ビザは…

新着記事

  1. 【中国・重慶で日本人がタクシー運転手に暴行被害】総領事館が再発防止を要請、現地滞在者に警戒呼びかけ…
  2. また火災、東海第二原発の安全性に改めて疑問の声 茨城県東海村にある東海第二原子力発電所で、再…
  3. 中国のブイ撤去も日本政府の無策が残した禍根 沖縄県・与那国島の南方海域に設置されていた中国の…
  4. 米国、対中テック規制を一段と強化 AI半導体と航空産業に照準 米国が中国に対して、新たな輸出…
  5. 沖ノ鳥島周辺に眠るレアメタルと中国の調査船活動――資源争奪で日中関係再び緊張
    中国、「沖ノ鳥島は岩」と再主張 日本のEEZを否定 資源めぐり緊張再燃 中国政府は2025年…
  6. 軽油価格カルテル疑惑:石油販売6社の不正行為が物流業界に与えた深刻な影響 2025年5月27…
  7. ロシア、過去最大の無人機攻撃をウクライナに実施 ゼレンスキー氏が強く非難 ウクライナのゼレン…
  8. 沖ノ鳥島EEZ内で中国調査船が無断活動 日本の海洋主権を無視する常習的挑発行為 日本の排他的…
  9. インドが日本を抜き世界第4位の経済大国に 名目GDP4兆ドル突破で新時代へ 2025年5月、…
  10. 中国空母「遼寧」が東シナ海で艦載機を発着艦 自衛隊は即応対応 中国海軍の空母「遼寧」が202…
ページ上部へ戻る