オーストラリア、外国人の中古住宅購入を禁止 – 住宅価格対策の一環
オーストラリアのオニール住宅相は2025年2月16日、4月1日から2027年3月31日までの2年間、外国人投資家による中古住宅の購入を禁止すると発表しました。この措置は、急激な住宅価格の高騰に対処するため、また選挙公約の一環として導入されました。政府は、この規制を2年後に見直し、延長するかどうかを判断するとしています。
オーストラリアの住宅価格は、世界的に見ても非常に高い水準にあります。特に、シドニーをはじめとする主要都市では住宅価格が急騰しており、多くの若者が「一生マイホームを持つことができないのでは?」と不安を感じている状況です。この背景には、移民の増加や外国人投資家による不動産需要の高まりが影響していると考えられます。
例えば、コアロジックという不動産コンサルタント会社によれば、シドニーでは過去10年間で住宅価格が約70%上昇し、現在の住宅の中央値は約120万豪ドル(約1億1600万円)に達しています。このような高騰が続けば、住宅を購入すること自体がますます難しくなるため、選挙戦の主要な争点となっています。
外国人投資家による購入禁止措置の狙い
今回の禁止措置が発表された背景には、外国人投資家がオーストラリアの不動産市場で占める役割の大きさがあります。オーストラリア税務当局のデータによれば、2023年6月までの1年間に外国人投資家が購入した住宅用不動産の総額は49億豪ドルに達し、そのうち中古住宅は全体の約3分の1を占めていました。このような投資が続けば、住宅市場の価格はますます高騰し、特に地元住民にとってはますます手が届きにくいものになってしまいます。
オーストラリア政府は、この禁止措置を実施することで、外国人による不動産投資を一時的に抑え、地元の購入者に物件を提供しやすくすることを目指しています。また、税務当局には追加の予算が与えられ、施行に向けた体制が整えられる予定です。
この措置の影響とは?
ただし、この禁止措置が住宅価格に与える影響は限定的だとする声もあります。実際、外国人による中古住宅購入は全体の販売数の1%未満というデータもあり、価格上昇の主な原因は他にあるとの指摘もあります。とはいえ、住宅問題はオーストラリア社会にとって非常に重要なテーマであり、今回の措置がその解決にどれほど寄与するのかは今後の課題です。
オーストラリア政府の外国人投資家による中古住宅購入禁止措置は、急騰する住宅価格に対処するための一つの手段として注目されています。しかし、この措置がどれだけ効果を上げるのか、また今後どのように住宅市場が推移するのかはまだ未知数です。住宅問題は多くのオーストラリア人にとって切実な課題であり、政府の対策がどれほど実効性を持つのかが注目されています。
Australia to put two-year ban on foreigners buying existing homes amid housing crunch
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