コストコ沖縄南城店、好調な業績と課題 渋滞対策と2店舗目の出店に期待

米国発の会員制倉庫型スーパー「コストコホールセールジャパン」のケン・テリオ日本支社長は、2月8日に沖縄国際大学(宜野湾市)で講演を行い、昨年8月に開業した「沖縄南城倉庫店」の業績が好調であることを報告しました。同店は開業から半年で「2年で到達する目標を初年度で達成する」と述べ、沖縄市場での成功を強調しました。

県内2店舗目の可能性、3~5年以内に検討か

この成功を受け、県内2店舗目の出店可能性についても言及し、「南城がどこまでセールスを伸ばせるかによる。個人的な意見として、3~5年で2店舗目を検討しないといけない状況になるのではないか」と述べました。さらに、約4千万人が住むカナダにコストコが109店舗あることを考慮し、沖縄の140万人以上の人口規模に照らすと、将来的には4カ所への出店が可能との認識も示しました。

沖縄のライフスタイルに適したコストコのビジネスモデル

コストコのビジネスモデルは、家族が多く車社会である沖縄のライフスタイルに適しており、地元客に加え、米軍関係者や台湾など外国人客も訪れる多様な客層を持っています。特に、台湾からの訪問者は、自国のコストコ店舗との商品構成の違いを楽しみに訪れていると指摘しました。

開業時には大渋滞も発生、今後の交通対策が課題

沖縄南城倉庫店の開業当初は、多くの来客が押し寄せ、周辺道路が大渋滞を引き起こしました。店舗周辺の道路では長時間の車両の滞留が発生し、地域住民の生活に支障をきたす場面も見られました。開業直後の混乱を受け、店舗周辺の交通整理や誘導員の配置が強化されましたが、週末やセール時には依然として混雑が見られます。

今後、2店舗目の出店が現実になれば、交通渋滞の緩和策は必須となります。南城店の混雑を分散させるためにも、アクセスの良い地域への出店や、駐車場のさらなる拡充、公共交通機関との連携強化が求められています。

課題はガソリンの県内調達

一方で、沖縄展開の課題として、店舗に併設するガスステーションで低価格で販売するガソリンを県内で調達できていないことが挙げられ、「最大のチャレンジとして残っている」と話しました。現在、コストコのガスステーションでは、エンジン保護性能の高いガソリン規格「TOP TIER™」に承認されたガソリンを販売しており、品質の高さが特徴です。

コストコの進出が地域経済にもたらす影響

フォーラムには南城市の當眞隆夫副市長と、県産業振興公社の谷合誠専務理事も登壇しました。當眞副市長は、コストコ進出により南城市に1日8千人~1万人の新たな人流が生まれているとして、「通過型観光から滞在型観光への転換」に向けたまちづくりの展望を語りました。

沖縄南城倉庫店の所在地とアクセス

コストコ沖縄南城倉庫店は、沖縄県南城市大里字高平高宮城原97-2に位置しており、那覇市や中部エリアからのアクセスが可能な立地です。ガソリンスタンドを併設し、大型駐車場も完備しているため、車での来店が便利です。

コストコのガソリンスタンドの特徴と利用方法

コストコのガスステーションは、会員制の低価格・セルフサービス方式で、現金払いは不可となっており、支払い方法はキャッシュレス決済に限定されています。特に、マスターカード(MasterCard)ブランドのクレジットカードや、コストコプリペイドカードが利用可能です。プリペイドカードはコストコ店内のメンバーシップカウンターで購入・チャージが可能ですが、ガスステーションでは購入・チャージができないため、事前の準備が必要です。

コストコ沖縄の今後の展開に期待

コストコの沖縄進出は、地域経済や観光に新たな活力をもたらしており、今後の展開に注目が集まっています。特に、2店舗目の出店やガソリンの県内調達、交通渋滞の緩和策など、課題と展望が交錯する中、コストコの動向は引き続き注目されるでしょう。

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