ダルトン・インベストメンツ、フジHDに再度要請:透明性確保と第三者委設置を求める

米国の投資ファンド、ダルトン・インベストメンツ(以下、ダルトン)は、フジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)に対し、タレントの中居正広さんを巡る問題に関して、全メディアを対象とした記者会見の開催や第三者委員会の設置を求める書簡を送付しました。

ダルトン・インベストメンツの要請内容

ダルトンは、フジHDの株式を7%超保有する主要株主であり、企業ガバナンスに対する強い関心を持っています。

2025年1月15日、ダルトンの関連会社であるライジング・サン・マネジメント(RSM)は、フジHDの取締役会に対し、以下の要請を含む書簡を送付しました。

  • 第三者委員会の設置:中居正広さんを巡る一連の出来事に関して、独立した第三者委員会を設置し、調査を行うこと。
  • 信頼回復の対応:調査結果に基づき、適切な対応を講じ、株主や関係者の信頼回復に努めること。
  • 調査結果の公表:調査結果やその後の対応について、透明性を持って公表すること。

RSMのポール・フォルクス・デイビス会長は、「中居正広氏を巡る騒動に関連する一連の出来事は、フジHDのコーポレートガバナンスに深刻な欠陥があることを露呈している」と指摘し、これらの要請の正当性を強調しました。

フジHDの対応とダルトンの再度の要請

フジHDは、2025年1月17日に記者会見を開催しましたが、出席メディアを一部に限定し、週刊誌やインターネットメディアの参加を認めないなど、報道の自由や透明性に対する懸念が指摘されました。

これに対し、ダルトンは2025年1月21日付で再度書簡を送付し、以下の点を求めました。

  • 全メディア対象の記者会見の開催:すべてのメディアを対象とした記者会見を改めて開催し、透明性を確保すること。
  • 第三者委員会の設置とメンバー公表:日本弁護士連合会(日弁連)のガイドラインに基づく第三者委員会を設置し、そのメンバーを公表すること。
  • 調査結果の公表スケジュールの明確化:調査の進捗状況や結果の公表スケジュールを明確にし、株主や関係者に適時情報提供を行うこと。

ダルトンは、これらの要請がフジHDのコーポレートガバナンスの改善と信頼回復に不可欠であると強調しています。

中居正広さんを巡る問題の背景

中居正広さんを巡る問題は、週刊誌で女性とのトラブルが報じられたことに端を発しています。

この報道を受けて、フジHDの対応や情報公開の在り方が注目され、企業ガバナンスに対する懸念が高まっています。

関連記事

おすすめ記事

  1. 洋上風力に立ちはだかる現実 三菱商事の巨額損失が突きつけた問い 真っ青な海と空、そして白く輝…
  2. 近年、全樹脂電池技術に関する機微情報が中国企業に流出した疑惑が浮上し、経済安全保障上の重大な問題と…
  3. 再エネ賦課金、過去最高の月1600円超 2032年まで増加見通し
    再エネ賦課金、過去最高へ 月1600円超の上乗せ負担に「国民の限界超えた」と専門家が警鐘 太…
  4. 2025年4月1日、中国人民解放軍は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施しました。台湾当局によると、演…
  5. 中国旗と宮崎の水源
    外国資本が宮崎の森林717haを取得 中国語話す代表に住民や議会から不安の声 宮崎県都城…

新着記事

  1. 【中国・重慶で日本人がタクシー運転手に暴行被害】総領事館が再発防止を要請、現地滞在者に警戒呼びかけ…
  2. また火災、東海第二原発の安全性に改めて疑問の声 茨城県東海村にある東海第二原子力発電所で、再…
  3. 中国のブイ撤去も日本政府の無策が残した禍根 沖縄県・与那国島の南方海域に設置されていた中国の…
  4. 米国、対中テック規制を一段と強化 AI半導体と航空産業に照準 米国が中国に対して、新たな輸出…
  5. 沖ノ鳥島周辺に眠るレアメタルと中国の調査船活動――資源争奪で日中関係再び緊張
    中国、「沖ノ鳥島は岩」と再主張 日本のEEZを否定 資源めぐり緊張再燃 中国政府は2025年…
  6. 軽油価格カルテル疑惑:石油販売6社の不正行為が物流業界に与えた深刻な影響 2025年5月27…
  7. ロシア、過去最大の無人機攻撃をウクライナに実施 ゼレンスキー氏が強く非難 ウクライナのゼレン…
  8. 沖ノ鳥島EEZ内で中国調査船が無断活動 日本の海洋主権を無視する常習的挑発行為 日本の排他的…
  9. インドが日本を抜き世界第4位の経済大国に 名目GDP4兆ドル突破で新時代へ 2025年5月、…
  10. 中国空母「遼寧」が東シナ海で艦載機を発着艦 自衛隊は即応対応 中国海軍の空母「遼寧」が202…
ページ上部へ戻る