
【中国・重慶で日本人がタクシー運転手に暴行被害】総領事館が再発防止を要請、現地滞在者に警戒呼びかけ
中国・重慶市で、日本人男性が配車アプリを利用してタクシーを呼んだ際、乗車拒否されたうえに運転手から暴力を振るわれ、軽傷を負うというショッキングな事件が起きた。事件発生を受け、日本総領事館は市当局に対して再発防止を申し入れたほか、現地に住む日本人や出張者、旅行者に注意を促している。
事件の概要:配車アプリ利用中に暴行被害
事件が明らかになったのは5月30日。日本総領事館の発表によると、被害者の日本人男性は重慶市内で配車アプリを使ってタクシーを手配したが、迎えに来た運転手は日本人であることを理由に乗車を拒否。その後、口論になり、運転手が男性に対して身体的な暴行を加えた。男性は軽傷を負い、現地の医療機関で手当てを受けたという。
事件の詳細な発生場所や被害者の年齢、氏名などは明らかにされていないが、在外公館が対応に乗り出す事態となったことからも、状況の深刻さがうかがえる。
総領事館の対応:現地政府に申し入れ、邦人に注意喚起
在重慶日本国総領事館は直ちに現地政府に対し、同様のトラブルが再発しないよう強く申し入れを行った。また、在留邦人向けのメールを通じて今回の事件の概要を共有し、以下のような注意事項を呼びかけている。
- 現地では不用意な言動を控えること
- 運転手と口論にならないよう配慮すること
- 必要のない場面では日本語での会話を避けること
このような注意喚起は、中国の一部地域で報告されている“外国人差別的対応”への予防策とも取れる。
配車アプリの落とし穴:利便性の裏に潜むリスク
近年、中国では滴滴出行(DiDi)などの配車アプリが一般的になり、都市部では日常的に利用されている。一方で、外国人利用者と運転手との間に言語や文化のギャップが存在し、トラブルの温床となっているケースも報告されている。
特に日本人の場合、顔立ちや話し方で出身国が容易に分かるため、政治的背景や偏見により“乗車拒否”や“料金の不当請求”といった差別的な対応を受けることもある。
背景にある中日関係の緊張
今回の事件は単なる一個人間のトラブルに見えるが、背景には中日関係の微妙なバランスも影響している可能性がある。尖閣諸島問題や経済摩擦、人権問題を巡って両国関係が揺れるなか、一部の市民が日本に対して負の感情を抱いているのも事実だ。
そのような中で起きた今回の事件は、「外交問題」として発展しかねない火種でもある。現にSNSではすでに「中国に旅行なんて行くべきではない」「危険すぎる」といった声も上がっており、今後の影響が懸念される。
SNS上の反応
「これが中国の日常だとしたら、安心して行けない」
「被害者が軽傷で済んでよかったけど、正直怖すぎる」
「DiDiの運転手、当たり外れがあるって聞いてたけど、まさか暴力まで…」
「なぜ日本人ってだけで拒否される?差別が許されていいのか」
「こういう時こそ大使館・領事館の働きが重要だ」
X(旧Twitter)やFacebook上ではこのような投稿が目立ち、日本人旅行者の不安が一気に広がっている。
安全確保のためのアドバイス
日本総領事館および在中大使館では、現地滞在中の邦人に対して「たとえ相手に非があっても冷静に行動し、決して挑発的な言動をしないように」と繰り返し注意を呼びかけている。
また、配車アプリを使う際は以下のような点に留意するよう勧められている。
- 運転手の評価(★の数)や口コミを事前に確認する
- できるだけ昼間や人通りの多い場所での乗車を心がける
- トラブル発生時は即座にアプリ経由で通報、または現地の110(警察)に連絡する
- 可能であれば、現地に精通した知人に同行してもらう
日本政府の今後の対応と課題
今回の事案に対しては、外務省を中心に継続的な情報収集と、必要に応じてさらなる注意喚起や交渉が求められる。日中関係においては、こうした“市民レベル”での対立が外交全体の雰囲気を悪化させることもあるため、慎重な対応が不可欠だ。
また、日本政府としては、中国国内で日本人が安心して暮らし、働き、訪問できる環境づくりを、引き続き中国政府に求めていく姿勢が問われている。
- 中国・重慶市で日本人男性がタクシー運転手に暴行され軽傷
- 日本総領事館が現地政府に対し再発防止を申し入れ
- 在留邦人には日本語使用の制限や口論回避を呼びかけ
- SNSでは旅行回避を求める声が相次ぐ
- 背景には配車アプリの不透明さと中日間の緊張も
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