辛坊治郎氏「爆死リスクがあっても万博に行くべき」 メタンガス問題に異論と提言

爆死リスクがあっても万博に行くべき

「リスクを冒してでも行くべき」辛坊治郎氏が語る“夢洲の真実”

2025年4月13日に開幕した大阪・関西万博。華々しくスタートを切った一方で、開催地・夢洲(ゆめしま)では、地下から発生するメタンガスに関する安全性への懸念がくすぶっている。

そうした中、キャスターの辛坊治郎氏(69)が21日、自身のX(旧Twitter)でこの問題に言及。「私はこの万博、メタンガスで爆死するリスクを犯しても行くべきだと思う」と発言し、注目を集めている。

埋立地・夢洲の宿命

メタンガスの発生は想定内、問題は「誤った印象」

夢洲は長年にわたって廃棄物や建設残土を埋め立てて造成された人工島だ。そのため、地中では有機物の分解により可燃性のメタンガスが自然発生する。

実際、2024年3月には会場の一角「グリーンワールド工区」で作業中の火花がメタンガスに引火。爆発によって約100平方メートルのコンクリート床が破損する事故が起きた。幸い負傷者は出なかったが、衝撃は大きかった。

その後、博覧会協会は約30億円の予算を投じ、地下の換気システム強化やガス検知器の増設といった安全対策を実施。マンホールの蓋もガスが自然に抜けるよう改良された。

再び検知されたガス濃度

4月6日に再び基準超え、検知場所を拡大

だが、開幕直前の4月6日、大阪府守口市議からの通報を受けて調査したところ、再び基準を超える濃度のガスが検知された。

この事態を受けて、会場ではガス濃度の測定地点を2カ所から7カ所へと拡大。測定回数も1日1回から3回に増やされ、万全の警戒体制が敷かれている。

林芳正官房長官も14日の記者会見で「一時的な上昇であり、会場全体に影響するものではない。既に追加の安全対策を講じている」と強調した。

辛坊氏の発言

「大屋根リングから離れた場所だという事実、なぜ報じない?」

辛坊氏は、こうした安全対策が進んでいることを踏まえつつ、「大量にメタンガスが検知されている場所は、大屋根リングからかなり離れている。にもかかわらず、その重要な事実を伝えないメディアは終わってるよね」と不満をにじませた。

彼はさらに、「こりゃ、この国は滅びるわ」と、報道のあり方そのものに警鐘を鳴らしている。

辛坊氏によれば、「夢洲がガスを発生するのは当然で、それ自体が万博をやるべきでない理由にはならない」という。万博そのものの意義や規模を考えれば、必要なリスクマネジメントを施した上で「やるべきだ」との立場だ。

安全対策の課題

専門家「ガス濃度の急変動は予測困難」

一方、専門家からは厳しい声もある。地下構造物からのガスの漏出は予測が難しく、急激な濃度上昇に備えるには限界があるという。

また、来場者に対する情報提供の不足や、万が一の緊急時にどう対応するのかといった体制の不透明さも指摘されている。

期待と不安の中で

半年間で2820万人来場見込む 安全と信頼の確保が鍵に

大阪・関西万博は、2025年10月までの半年間で約2820万人の来場者を見込んでいる。世界が注目するイベントだけに、安全性の確保と、それに対する誠実な情報発信が求められている。

辛坊氏の言葉が賛否を呼ぶ中で、我々は「安全か否か」だけでなく、「何をどう伝えるか」にも目を向ける必要があるだろう。

辛坊治郎氏「私はこの万博、メタンガスで爆死するリスクを犯しても行くべきだと思う…」その理由も説明

関連記事

おすすめ記事

  1. 洋上風力に立ちはだかる現実 三菱商事の巨額損失が突きつけた問い 真っ青な海と空、そして白く輝…
  2. 「ニセコ化」した野沢温泉村で現れる観光公害とその影響 長野県の野沢温泉村は、昔から温泉と自然…
  3. 白タク・闇レンタカー・中国人専用風俗――観光立国ニッポンが食い物にされる日
    「中国人観光客が増えれば、日本経済が潤う」。そう語られることが多い昨今だが、本当にそれだけで済む話…
  4. 2025年4月1日、中国人民解放軍は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施しました。台湾当局によると、演…
  5. 全従業員をリストラ通告「夢の電池」開発企業に異変 開発データ消失の恐れも 福井県の全樹脂電池…

新着記事

  1. 中国人替え玉受験
    中国人留学生による日本大学受験不正:AI合成写真とカンニング業者の暗躍 日本の大学に留学する…
  2. 中国製ソーラーインバーターに潜むリスク:エネルギー安全保障への脅威 米国エネルギー当局は、中…
  3. ガソリン「暫定税率」をなぜ国は手放さないのか? ガソリン価格の高騰が家計を圧迫し、多くの国民…
  4. 外国免許切替、過去最多7万6千人 制度の課題と見直し検討へ 警察庁が発表した令和6年の運転免…
  5. 警察庁は、2026年4月1日から自転車の交通違反に対し「青切符」を導入し、反則金を科すことを決定し…
  6. 中国の尖閣諸島調査船活動に日本が強く抗議 国際法違反を指摘 沖縄県・尖閣諸島周辺で中国の海洋…
  7. 米中貿易協議、追加関税90日間停止で合意 米国と中国は、スイス・ジュネーブで行われた貿易協議…
  8. 白川郷、観光公害対策で駐車場予約制を導入へ 岐阜県白川村の世界遺産「白川郷」は、美しい合掌造…
  9. 「それでもお米は高いと感じますか?」JA山形の広告が波紋──米価高騰の背景と構造的課題を探る …
  10. 日本、2024年度経常収支が過去最大の黒字に — 円安と海外収益が追い風 2024年度の日本…
ページ上部へ戻る