
対馬神社での韓国人観光客のマナー問題とその影響
長崎県対馬市— 最近、長崎県対馬市にある和多都美神社で、韓国人観光客によるマナー違反が頻発しており、神職らが困惑している。特に問題となっているのは、タバコの吸い殻のポイ捨てや、神社の神体に対する投石などだ。平山雄一禰宜(ねぎ)は、これらの問題が神社とその関係者に与えている影響について産経新聞の取材に応じ、深刻な思いを語った。
神社での具体的な迷惑行為
和多都美神社で起きている問題には、タバコの吸い殻が境内に散乱していることが挙げられる。平山氏によれば、神社の周囲には吸い殻が多数見られ、神社側がその都度清掃を行っているが、対応に追われているという。また、より深刻なのは、神社の神体である「磯良恵比須(いそらえびす)」に対して、韓国人観光客が投石する姿がSNSに投稿され、広まったことだ。磯良恵比須は神職家の祖先を象徴する神体であり、このような行為は、神社の伝統や文化に対する深刻な侮辱として受け止められている。
平山氏は「一部ではない。神社では、そのような行動をとる人が多い」と話し、韓国人観光客のマナー問題が一部の人々に限らず広範囲にわたることを強調している。
神社の対応と反応
このような問題を受けて、和多都美神社では今年2月、境内への韓国人観光客の立ち入りを禁止する看板を掲示した。これに対して、平山氏は「現状を放置すれば、観光公害が悪化するだけだ」と語り、必要な対応を取ることが重要だと訴えている。しかし、立ち入り禁止措置に対しては賛否が分かれており、平山氏は「日本が抱える観光公害を放置することは、国益を損なうことにつながりかねない」と懸念を示している。
文化への無理解と参拝マナー
日本の神社には、参拝者が守るべきマナーがある。例えば、鳥居を通る前に一礼する、手水舎で手や口を清める、そして二礼二拍手一礼の作法で参拝を行うことだ。これらは日本の伝統文化の一部であり、他国から訪れる観光客にも尊重してほしいと考えられている。しかし、平山氏は、韓国人観光客の中にはこうしたマナーを守らず、神社をただの観光地として楽しんでいる人々が多いと感じている。
地域への影響と今後の課題
対馬は、日本と韓国の歴史的・文化的なつながりのある地域であり、多くの韓国人観光客が訪れる。しかし、近年、マナー違反が続き、地域住民や神社関係者に大きな負担を強いている。平山氏は、「われわれは目先のことだけにとらわれ、未来の日本人をないがしろにしているのではないか」と語り、長期的な視野での対策が必要だと訴えている。
また、平山氏は、神社での韓国人観光客のマナー違反について報じられたことが、一定の関心を呼び起こすきっかけになったことを評価しているが、一方で「報道が時に歪曲され、日本の一員として自国を攻撃しているように感じることがある」とも話している。
和多都美神社での韓国人観光客によるマナー違反は、地域社会と文化への無理解を反映しており、観光客との相互理解がいかに重要かを改めて考えさせられる問題だ。平山氏は、「新型コロナウイルス禍を乗り越えた今、観光公害の対策とともに、地域の未来を考えることが必要だ」と語り、観光業の健全な発展を求めている。対馬を訪れる日本人が増えることが、観光公害対策や国防にもつながると訴え、地域の未来に対する思いを強く伝えている。