立憲・維新・国民がガソリン税暫定税率廃止法案を共同提出へ

立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党は、ガソリン税の暫定税率を廃止する法案を共同提出する方向で検討を進めています。この暫定税率は、1974年に道路整備の財源確保を目的として導入され、現在も1リットルあたり25.1円が上乗せされています。廃止が実現すれば、ガソリン価格の引き下げが期待されます。

暫定税率廃止の背景と経緯

暫定税率は、道路整備の財源不足を補うために導入されましたが、長年にわたり延長され、事実上の恒久税となっていました。これにより、ガソリン価格の高止まりが続き、国民生活や物流コストに影響を与えてきました。国民民主党は、国民の負担軽減と経済活性化を目指し、暫定税率廃止を主張してきました。

2024年12月11日、自民党、公明党、国民民主党の3党は、暫定税率廃止で合意しました。しかし、具体的な廃止時期は未定であり、2年後の実施が検討されているとの報道もあります。

3党の共同提出と衆院可決の可能性

現在、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党の3党は、暫定税率廃止法案を予算関連法案として共同提出する方向で調整を進めています。衆議院では与党が過半数割れしているため、3党が合意し、他の野党も賛成に回れば、衆院での可決が現実味を帯びてきます。

ガソリン価格への影響と国民生活

暫定税率が廃止されると、ガソリン価格は1リットルあたり約25.1円下がると予測されています。これにより、家庭の燃料費が削減され、可処分所得が増加することが期待されます。例えば、月に100リットルのガソリンを使用する家庭では、月間で約2,500円の支出削減が見込まれます。

また、特に地方経済においては、ガソリン価格の低下が生活コストの軽減につながり、地域経済の活性化が期待されます。自動車が必需品となっている地方では、交通コストの削減が直接的な恩恵をもたらします。

代替財源の確保と課題

暫定税率廃止に伴い、道路整備の財源確保が課題となります。立憲民主党は、各種政府基金の減額案を提案していますが、石破茂首相はこれを否定しています。

代替財源の確保が難航する中、3党の共同提出法案が成立するかどうかは、今後の議論と調整にかかっています。


ガソリン税の暫定税率廃止は、国民生活の負担軽減と経済活性化を目指す重要な政策です。3党の共同提出法案が成立すれば、ガソリン価格の引き下げが期待されます。しかし、代替財源の確保や与党との調整など、解決すべき課題も多く、今後の動向に注目が集まっています。

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