【ガソリン価格調整疑惑】長野県で浮上、組合は関与を否定

ガソリン価格調整疑惑が浮上

長野県のガソリンスタンド業界で、価格を事前に調整していたのではないかという疑惑が浮上しています。この問題は、県石油商業組合に加盟する複数のガソリンスタンドが、店頭価格を示し合わせて変更していた可能性があるというものです。さらに、驚くことに組合に加盟していない農協系のスタンドにも、価格に関する電話が入っていたことが明らかになりました。

値上げ・値下げの連絡が「強要」のように?

NBSの取材では、複数の関係者が「組合の支部長から価格変更を伝える電話があった」と証言しています。

「『いつから何円上げです』『いつから何円下げです』といった連絡が来るんです。もし価格変更を忘れていたりすると、『おたく、どうなってるの?』みたいな電話もありました。正直、圧力のように感じることもありました」と、ある関係者は話します。

こうした連絡を受けた人々の中には、「脅しのように受け取った」という声もあり、公正な価格競争が行われていたのかどうか、疑問が残ります。

組合非加盟の農協系スタンドにも価格情報が?

今回の問題は、組合加盟店だけにとどまりません。JAながのによると、組合に加盟していない農協グループのガソリンスタンドにも、組合員から価格変更の情報が伝えられていたとのことです。

また、JAグリーン長野も「ここ半年ほどはそういった電話はないが、以前は組合関係者から同様の連絡があった」と証言しています。ただし、どちらの農協グループも「電話の目的は分からない」としつつも、価格については仕入れ値などをもとに独自で決めていたと説明しています。

それにしても、なぜ非加盟のスタンドにまで価格情報が伝えられていたのでしょうか。業界内で「値崩れ」を防ぐためだったのではないかという見方も出ています。

県の調査と組合の対応

県は2月6日、この問題について全県を調査し、速やかに報告するよう組合に求めました。組合側は2週間を目途に報告する方針を示していますが、「関与はしていない」と一貫して否定しています。

もし、今回の事例が事実であれば、公正な市場競争を妨げる行為として、独占禁止法に抵触する可能性があります。公正取引委員会が調査に乗り出す可能性もあり、今後の動向が注目されます。

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