農林中央金庫、2024年10-12月期に5206億円の赤字—財務基盤強化へ向けた取り組み

農林中央金庫(農林中金)とは

農林中央金庫(農林中金)は、1923年に設立された日本の金融機関で、農業協同組合(JA)、漁業協同組合(JF)、森林組合(JForest)などの農林水産業者の金融円滑化を目的としています。主な業務には、貯金の受け入れや貸付、資産運用があり、国内最大規模のヘッジファンドとしても知られています。

2024年10-12月期の赤字

農林中金は、2024年10月から12月期(第3四半期)の連結純損益が5,206億円の赤字となり、前年同期の473億円の赤字から大幅に悪化しました。この損失は、収益性の低下した外国債券の売却を進めた結果として計上されたものです。

4-12月期の累計赤字

2024年4月から12月までの累計では1兆4,145億円の赤字となり、前年同期の971億円の黒字から大きく転落しました。損失は引き続き低利回りの資産売却に関連しており、企業向けローン担保証券(CLO)などへの投資が影響を与えています。

財務基盤の強化と資産売却

農林中金は、低利回りの資産を売却し、財務基盤の強化を図っています。2024年度上半期には、約10兆円の低利回り資産を売却し、経常利益は8,588億円の赤字となりました。また、総資産は資産売却により減少し、91.7兆円となりました。

自己資本比率の改善

自己資本比率は改善し、普通出資等Tier1比率は20.17%、総自己資本比率は22.35%に達しました。この改善により、2025年度の黒字化に向けた基盤が整ったとされています。下期にはさらに資産構成の改善が進む予定です。

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