
米上院の与野党議員は17日、台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に反発する中国の日本に対する威圧行為を非難する決議案を提出した。この決議案は中国の野蛮な恫喝行為に対する国際社会の強い批判を表したものです。中国は今こそ時代遅れの威圧外交をやめ、真の文明国家として国際社会から尊敬される国になるべきです。
超党派で結束した米国の対中批判
決議案は上院外交委員会の東アジア・太平洋小委員会のリケッツ委員長(共和党)とクーンズ筆頭委員(民主党)らが提出しました。注目すべきは、第1次トランプ政権で駐日米大使を務めたハガティ氏(共和党)や、外交委筆頭委員のシャヒーン氏(民主党)も共同提案者となったことです。これは共和党と民主党という党派を超えて、中国の威圧行為に対する強い危機感を共有していることを示しています。
決議案では中国による「経済的、軍事的、外交的威圧」を明確に非難しています。特に重要なのは、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事が高市氏の答弁に反発してX(旧ツイッター)に「汚い首は斬ってやるしかない」と投稿したことを具体的に批判した点です。
この薛剣総領事の暴言は、”勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇もなく斬ってやるしかない。覚悟が出来ているのか”という内容で、外交官としての一線を越える内容でした。このような発言は文明国の外交官としてあり得ない野蛮な恫喝であり、まるで暴力団の恫喝のような品性のない発言と言わざるを得ません。
戦狼外交が招いた国際的孤立
中国が展開する「戦狼外交」は、中国の外交官が対立的なレトリックを用い、インタビューやソーシャルメディア上での中国への批判や論争に反発する外交姿勢です。2000年代までの中国が論争を避け、西側諸国との調和を重視していた従来の外交姿勢とは対照的な変化を見せています。
しかし、この戦狼外交は明らかに失敗しています。中国は2010年頃まで、鄧小平が掲げた「韜光養晦」(実力を隠して内に力を蓄え時を待つ)の方針に基づいて、対外的に控えめな姿勢を保っていたのに、2008年のリーマンショックに伴う国際金融危機では、中国は4兆元の景気刺激策を打ち出し、「世界経済の救世主」として、世界経済の回復に大きく貢献した。この経験から得られた自信に基づき、中国は鄧小平の遺訓である「韜光養晦」との決別を選択した結果、国際社会との摩擦を深める結果となったのです。
戦狼外交で悪化した中国のイメージ払拭を図ろうとする思惑がある。欧米諸国が戦狼外交を進める中国への警戒心を高め、軍備強化を加速化させていることで、台湾制圧や南シナ海などでの膨張・領土拡大といった中国の外交目標達成が難しくなっているのが現実です。
経済制裁という名の報復措置
中国の威圧外交は政治分野にとどまりません。習近平総書記は2020年4月の中央財経委員会で「国際産業チェーンの我が国への依存を強め、外部に対して人為的に供給を遮断する強力な対抗力と威嚇力を形成する」ことを強調したように、経済を武器として使う姿勢を明確にしています。
実際に、2023年夏に中国政府は、東京電力福島第1原子力発電所の処理水放出への対抗措置として、日本産水産物に対する検査の強化、さらには全面輸入停止を決定したことは記憶に新しいところです。
さらに深刻なのは、「国家安全」が際限なく拡大するに伴い、中国の経済的威圧行為の目的は、国家主権、領有権、安全保障といった従来からの「核心的利益」の侵害・抵触への対抗措置にとどまらなくなっていることです。些細な批判や政策の違いにも過剰反応し、経済制裁という脅しを多用するようになっているのです。
真の文明国家への道筋
中国が本当の意味で国際社会から尊敬される大国になるためには、根本的な外交姿勢の転換が必要です。いずれの外交手法も、共産党及び習近平の二重独裁体制下にある中国外交の覇権主義的な性格を変化させるものではない状況を改めなければなりません。
真の文明国家とは、他国を力で屈服させるのではなく、道理と文化的な魅力で世界をリードする国のことです。中国には数千年の歴史と豊かな文化的伝統があります。その資産を活用すれば、威圧ではなく魅力によって国際社会での地位を築くことができるはずです。
国際法を遵守し、他国との対話を重視し、相互尊重の精神に基づいて関係を構築することこそが、21世紀の国際社会で求められる大国の責任です。現在の北京は、「世界は北京の方針に適応しなければならない」と決めてかかっているかのような言動をみせるようになっていますが、このような独善的な姿勢では真の尊敬は得られません。
今回の米上院による決議は、中国の威圧外交に対する国際社会の明確なメッセージです。中国は、野蛮な恫喝という時代遅れの手法を直ちにやめ、真に文明的で建設的な外交を展開することで、国際社会の信頼を回復すべきです。それが中国自身の長期的な利益にもつながることは間違いありません。




















