北朝鮮、日本の防衛強化を“海外侵略準備”と非難 ミサイル強化に警戒感

北朝鮮、日本を「侵略準備」と非難 軍事力強化を問題視

北朝鮮は、日本が進める防衛力強化を「海外侵略の準備」と厳しく非難している。朝鮮中央通信(KCNA)は、日本が自衛隊を攻撃型の勢力に変えようとしているとし、「軍国主義の復活」を警告する論評を発表した。

日本のミサイル強化、北朝鮮が警戒

北朝鮮は、日本の地対艦ミサイル発射訓練が頻繁に行われていると指摘し、「日本はすでに周辺国を攻撃できる能力を持ち、さらなるミサイル開発を進めている」と批判した。具体的には、射程1,000キロメートルのミサイルを来年には配備し、3,000キロメートルの射程を持つ弾道ミサイルの製造計画も進んでいると主張している。

「日本は自衛を口実にしているが、実際には攻撃能力を強化し、海外侵略の準備を進めている」と論評は警告している。

「軍国主義の道を進む日本」と非難

KCNAはさらに、「日本の軍国主義者たちは、自衛隊を攻撃型の侵略勢力へと再編しようとしている」との見解を示し、「日本は過去のように大陸侵略を再び狙っている」と非難した。

論評は「日本は戦争準備を完了しているが、本土以外で戦争を起こす勇気はない」と挑発的な言葉も記している。また、「周辺国への奇襲先制攻撃計画を進めている」とし、地域の安全を脅かしているとの立場を強調している。

日本の防衛強化は「地域安定のため」との反論

一方、日本政府はこれまで防衛力強化を「平和と安全のための防衛措置」と説明してきた。2022年に改定された「国家安全保障戦略」では、北朝鮮の核・ミサイル開発、中国の軍事的台頭、ロシアのウクライナ侵攻などを背景に、反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を明記。これはあくまで「抑止力」の一環だと強調している。

日本はアメリカとの同盟関係を強化し、共同訓練や情報共有を通じて、地域の安全保障体制を強化していますが、これが周辺国からは「軍拡」と受け取られている。

北朝鮮の主張に対する国際社会の反応

北朝鮮の非難に対し、国際社会は冷ややかな視線を向けている。多くの国々は、日本が自国の防衛力を強化することは主権国家として当然であり、むしろ北朝鮮の核・ミサイル開発こそが地域の不安定要因だと見ている。

特にアメリカや韓国は、日本との安全保障協力を進める中で、北朝鮮の挑発的な発言を「地域の緊張を高める要因」として批判している。

対話による緊張緩和がカギ

日本と北朝鮮の関係は、長らく対立が続いている。日本は拉致問題を含む北朝鮮との懸案を解決するため、対話の再開を目指しているが、軍事力強化を理由に批判される状況では難しい部分もある。

しかし、北朝鮮の挑発に対し過剰に反応せず、国際社会と協力しながら外交的解決を図ることが、地域の安定には不可欠だろう。

北朝鮮の非難に対し、日本は引き続き「専守防衛」の立場を強調しつつ、地域の平和と安定を目指す姿勢を示す必要がある。

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