
中国の無人機が南西諸島周辺で活発に飛行していることが明らかになった。防衛省によると、2024年度に確認された無人機の数は30機に上り、2021年度と比べて7倍に増加した。これらの無人機は活動範囲を広げ、日本の領空に近づくケースも増えている。背景には、中国が台湾侵攻を視野に入れた軍事的な圧力を強めていることがあるとみられる。自衛隊は警戒を強め、中国の動向を注視している。
無人機の飛行回数が急増
防衛省は、日本周辺で確認された外国機の動向を発表しているが、無人機については2013年度に初めて発表した。その後、中国の無人機に関する発表は2017年度と2018年度に1機ずつ、2021年度には4機だった。しかし、2022年度には10機、2023年度には9機、そして2024年度には30機と大幅に増加している。
特に2024年度は、従来の東シナ海から沖縄本島周辺にとどまらず、奄美大島に接近するケースや、台湾南方のバシー海峡へ向かうケースも確認された。また、与那国島と台湾の間を通過し、東シナ海と太平洋を行き来する動きも活発になっている。
無人機の種類と特徴
これまで確認された無人機は6種類で、すべて固定翼を備えた偵察型のものだ。そのうち3種類はミサイルを搭載できる攻撃機能を持つ。無人機の大きさは全長10メートル程度が一般的で、沖縄周辺ではGJ-2型の偵察・攻撃機が飛行していることが確認されている。
中国の軍事行動と台湾への圧力
中国軍は日本周辺での活動を活発化させており、その一環として台湾周辺での軍事演習も頻繁に行われている。2025年3月末から4月初めにかけて、中国軍は台湾近海で大規模な演習を実施した。この演習には空母「山東」も参加し、艦載機の発着訓練を行った。これに対し、台湾は警戒態勢を強化し、米国や日本、EUも中国の動きを非難している。
日本の対応と今後の課題
中国の無人機活動が活発化する中、日本は航空自衛隊の戦闘機を緊急発進させるなどの対応を取っている。防衛省の関係者は「中国は今後さらに無人機の活動範囲を広げる可能性が高い。台湾への軍事的圧力を強める狙いは明らかだ」と指摘する。
また、最近では日本海上空でも中国の無人機が確認されるようになった。防衛省が日本海での無人機飛行を発表するのは初めてのことであり、今後も監視強化が求められる。
日本は、領空侵犯を防ぐための監視体制の強化や、無人機に対抗する技術開発を進める必要がある。さらに、日米同盟や他の友好国との連携を強め、地域の安全保障を確保する取り組みが求められる。
中国の無人機活動の拡大は、日本の安全保障にとって新たな課題となっている。日本としては、引き続き情報収集と分析を進め、適切な対応策を講じていくことが不可欠だ。