元陸軍中将、台湾で武装組織設立・中国から資金受領で国家安全法違反で起訴

2025年1月20日、台湾高等検察署(高検)は、元陸軍中将を含む退役軍人6人を国家安全法違反で起訴したと発表しました。彼らは中国から資金を受け取り、台湾で武装組織を立ち上げ、政府転覆を画策したとされています。高検は、元中将の行為が国家の安全を予測困難なほど危険な状況にしたとして、懲役10年以上の刑を求めています。

事件の概要

起訴された元陸軍中将は、副指揮官の階級で退役し、統一派団体「中華民国台湾軍政府」の座長を務めていました。2019年、交際相手の女性らと共にさまざまな名目で台湾と中国を行き来し、中国共産党の情報工作員に接触。その後、中国共産党の軍事情報員から資金提供を受け、台湾で武装組織を発足させました。元中将と女性は、かつての軍の同僚や部下を政府転覆作戦計画のメンバーとして取り込み、中国共産党が台湾を武力侵攻する際に、台湾内部から加勢することを密かに謀ったとされています。

国家安全法の適用

台湾の国家安全法は、国家の安全を脅かす行為を厳しく取り締まっています。特に、大陸地区のために組織を立ち上げ、発展させる行為は重大な違反と見なされます。今回の事件では、元中将らが中国から資金を受け取り、台湾で武装組織を立ち上げたことが国家安全法違反として起訴の根拠となっています。

過去の類似事例

過去にも、台湾で国家安全法違反に関する事件が報告されています。例えば、2023年8月には、台湾の退役軍人が中国から資金を受け取り、台湾で武装組織を立ち上げたとして起訴されました。また、2024年6月には、台湾の政党が中国から資金を受け取り、組織を発展させたとして解散命令が下され、7名の退役軍人が起訴されています。

中国の反応

中国政府は、台湾の国家安全法を「不折不扣的恶法(悪法)」(徹底的な悪法)と批判しています。中国国務院台湾事務弁公室の報道官は、台湾の国家安全法が「一国二制度」を受け入れない台湾の人々に対して、圧力を強化していると述べています。

以下の動画では、退役中将高安国が台湾で武装組織を立ち上げ、中国から資金を受け取っていた疑いについて詳しく解説しています。
在台發展共諜組織! 退役中將高安國遭起訴

関連記事

おすすめ記事

  1. 北海道釧路市では、太陽光発電所の建設が急速に進んでおり、再生可能エネルギーの普及と自然環境の保護を…
  2. 重要な土地を外国資本に奪われるリスク 政府の動きの遅さが招く“静かなる有事” 政府が初…
  3. 2025年以降に予定されている増税・負担増のリストを作りました。 以下は画像を基に作成した「…
  4. 「簡単に取れる」日本のビザ、中国人からの相談殺到 狙われる制度の隙 「報酬さえ払えば、ビザは…
  5. 2025年4月1日、中国人民解放軍は台湾周辺で大規模な軍事演習を実施しました。台湾当局によると、演…

新着記事

  1. 副首都構想のいま—維新は何を実現したいのか 日本維新の会が掲げる「副首都構想」は、東京一極集…
  2. 台湾・国史館の機密解除 「便衣」潜入と“相互不侵”を示す電報群 台湾の国史館(國史館)と台湾…
  3. [ays_poll id=8] …
  4. 参院選で示された「減税」への圧倒的な民意 7月20日に投開票が行われた参院選では、ガソリンの…
  5. 日本のODAは10年で36兆円超に増加
    日本のODA支出は10年で36兆円規模へ 日本政府が海外に対して行ってきた政府開発援助(OD…
  6. 中国大使館が呼びかける「中国人襲撃への警戒」 在日中国大使館が8月18日に発表した注意喚起が…
  7. 重要な土地を外国資本に奪われるリスク 政府の動きの遅さが招く“静かなる有事” 政府が初…
  8. 米ペンシルベニア州USスチール工場で爆発 死者2人・負傷10人 日本製鉄傘下で発生 米国東部…
  9. 日本移住で大学まで学費無料?中国で密かに広がる“教育支援”悪用の動き 厚生労働省の統計によれ…
  10. 日米関係に新たな火種か 米国が日本製品に15%の追加関税を発動 「合意」との齟齬に懸念広がる …
ページ上部へ戻る