
中国人留学生による日本大学受験不正:AI合成写真とカンニング業者の暗躍
日本の大学に留学する中国人学生の間で、不正行為が横行している。特に注目されているのは、AIを駆使した替え玉受験やスマートデバイスを使ったカンニングだ。背景には、こうした不正を支援する「カンニング業者」の存在がある。SNS上では「日本の大学は簡単に入れる」という噂が広まり、業者に依頼して難関大学に合格したという話も後を絶たない。
不正の手口:AI合成写真とスマートデバイス
中国のSNSや留学生向けの掲示板には、日本の有名大学への合格を保証する業者の広告が掲載されている。特に「早稲田大学に確実に合格」「MARCH(明治・青山・立教・中央・法政)にも対応」といった内容が目立つ。こうした業者は、受験生と替え玉の顔写真をAIで合成し、受験票を偽造しているという。
さらに、受験当日にはスマートウォッチやマイクロイヤホンを使い、解答を外部から送信する手口も確認されている。例えば、業者は試験開始20分後に解答をリアルタイムで受験生に送信。受験者はその解答を入力するだけで済む。この手法は、日本留学試験(EJU)や日本語能力試験(JLPT)でも使用されている。
費用は大学ごとに異なり、MARCHが約500万円、早稲田大学や慶應義塾大学は約600万円で合格を保証するという。こうした高額な料金にもかかわらず、一定の需要があるとみられている。
業者の実態:合格枠を保証と謳う
中国に拠点を持つ業者の一部は、「日本の大学の教授と契約し、独自の合格枠を持っている」と主張している。特にMARCHや一部の国立大学にも対応しており、書類審査や面接のサポートも提供するとしている。書類はすべて業者が作成し、面接では教授から事前に提供された質問と模範解答を指導するという。
「EJUやJLPTのスコアが足りない場合は追加料金を支払えば調整可能」とも説明されており、実際に業者がテストの点数を操作できる可能性も指摘されている。指定の試験会場では、業者の関係者が監督を務め、不正がばれる心配はないと豪語するケースもある。
こうした業者は、「合格保証」の証拠として、帝京大学や早稲田大学大学院の合格証明書を顧客に提示している。SNS上でも「友達が業者を使って早稲田に合格した」という書き込みが見られ、業者の存在がうかがえる。
既に明らかになった不正事例
日本で留学生による試験不正は過去にも発覚している。2019年にはEJUで中国人学生が眼鏡型カメラで試験問題を撮影し、不正に解答を受け取っていたことが明らかになった。試験問題は外部に送信され、業者が解答を作成して受験生に送信していた。
また、2022年には一橋大学の入試で問題が外部に流出し、中国人受験生が逮捕される事件も発生。こうした不正はSNSやチャットアプリを通じて組織的に行われており、その手口は年々巧妙化している。
対策の必要性:日本の試験運営の課題
日本の大学受験制度は、電子機器の持ち込み禁止や監視体制が緩く、不正行為に対する対策が不十分だ。多くの試験会場では金属探知機の導入や顔認証技術が使用されておらず、不正を見逃すリスクが高い。
一方、中国ではカンニング行為に対し厳しい罰則が科されており、組織的な不正には懲役刑が適用されることもある。日本の試験運営機関は、不正防止のための監視カメラ設置、電子機器の検査、顔認証の導入など、厳格な対策を検討すべきだろう。
高等教育の信頼性を守るために
日本の高等教育機関が国際的な信頼を維持し、優秀な留学生を受け入れるためには、不正行為に対する厳格な対応が不可欠だ。試験制度の強化、監視体制の見直し、受験生の身元確認の徹底が求められる。
また、業者による不正行為を未然に防ぐため、教育機関は留学生に対し、倫理教育を徹底することも重要だ。さらに、SNS上での不正広告に対しても監視を強化し、問題を早期に発見できる体制を整えるべきだ。
日本の高等教育は、公正で信頼性のある制度であることを示し続ける必要がある。それを損なうような不正行為は、厳しく取り締まられるべきだ。